
「あいつがいなくなって、仕事が回らなくなると思ったんだけどな……」
先日、うつ病で休職に入った26歳の彼がいなくなった職場で、誰かがポツリと漏らした言葉です。
確かに、彼がいなくなった直後はバタバタしました。
しかし、1週間、2週間と経つにつれ、彼の担当していた仕事は他の誰かに振り分けられ、あるいは「急ぎではない」と後回しにされ、驚くほど平然と職場は回り続けています。
こんにちは、PLUS7です。
第1回では「真面目な人ほど損をする」というお話をしましたが、今回はさらに踏み込んだ、残酷で、かつ「貴方を自由にする」真実をお話しします。
それは、会社がよく口にする「代わりはいくらでもいる」という言葉の正体についてです。
1. 職場の「静かな残酷」を目の当たりにして
後輩が倒れてから、私たちの「オフホワイト」な事務所では、何事もなかったかのように日常が続いています。
上司は「困ったもんだ」とため息をつきながらも、すぐに求人広告の手配を始めました。
彼の机の上にあった書類は、無造作に他の社員のデスクへ。
彼があれほど責任感を感じ、自分を追い込んでまで守ろうとした「仕事」は、彼がいなくても止まりませんでした。
これが現実です。 どれだけ会社に尽くしても、どれだけ重要なポジションにいたとしても、「会社というシステム」にとって、個人は交換可能なパーツに過ぎません。
2. 「代わりはいくらでもいる」は、冷酷な事実であり「救い」である
「代わりはいくらでもいる」 この言葉を上司から投げかけられたら、誰だって深く傷つきます。「自分には価値がないのか」と。
しかし、50代になり、多くの離職や会社の変遷(M&Aや再編など)を見てきた私から言わせれば、この言葉には2つの側面があります。
① 会社側の冷徹な論理
組織とは、特定の誰かが欠けても潰れないように設計されています。
これは経営としては正しい姿です。 しかし、だからこそ会社は、貴方が過労で倒れても、家庭が崩壊しても、「組織の存続」を最優先します。会
社が貴方の人生の質(QOL)を保証してくれることは、絶対にありません。
② 私たちが手に入れるべき「救い」
逆説的ですが、「代わりがいる」ということは、「貴方が今すぐ逃げ出しても、世界は終わらない」ということです。
「自分が辞めたらみんなに迷惑がかかる」「このプロジェクトは私にしかできない」 そう思って踏みとどまっている貴方。
それは貴方の責任感の強さですが、会社にとっては「勝手に背負ってくれている便利な都合」でしかありません。
貴方がいなくなっても、会社は1ヶ月もすれば新しい「パーツ」を見つけてきます。だったら、壊れるまで居続ける義理なんて、どこにあるのでしょうか?
3. 会社は「機能」を買い、貴方は「時間」を売っているだけ
多くの人が勘違いしているのは、会社との関係を「家族」や「絆」だと思ってしまうことです。特に100年続くような老舗企業やアットホームを売りにする中小企業(わが社のようなオフホワイト企業)ほど、この「情」を利用してきます。
しかし、雇用契約の本質はシンプルです。
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会社: 貴方の「労働力」と「成果」という機能を買っている。
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貴方: 自分の貴重な命の時間を売って、対価を得ている。
ここには「人生の責任」という項目は含まれていません。
会社を辞めた後、貴方の生活費を一生払い続けてくれる会社がありますか?
うつ病で働けなくなった後、元の健康な心に戻るまで寄り添ってくれる社長がいますか?
答えは「ノー」です。 会社は貴方の「労働者としての機能」には興味がありますが、貴方の「人生そのもの」には無関心なのです。
4. ロスジェネ世代が見てきた「忠誠心の末路」
私たち50代、いわゆる「ロスジェネ世代」は、就職氷河期をくぐり抜け、必死に会社にしがみついてきた世代です。
しかし、20年、30年と尽くしてきた会社が、ある日突然M&Aで買収されたり、リストラを断行したりする姿を嫌というほど見てきました。
「会社のために」と24時間戦い続けた先輩たちが、定年を待たずに放り出される姿。 その時、会社は冷たく言い放ちます。 「今までありがとう。
でも、今の経営状況では君を養えないんだ」
これが、貴方が信じようとしている「忠誠心」の正体です。 会社に期待しすぎることは、自分の人生のハンドルを他人に預けるのと同じくらい危険な行為です。
5. 「二刀流」という生き方:会社への依存度を1%下げることから
では、どうすればいいのか。 私は、今の会社で「地域限定社員」としてほどほどに働きながら、毎日ブログを書いています。これが私の「二刀流」の形です。
会社だけに人生を全振りしない。 「ここがダメになっても、私にはブログがある、スキルがある、別のコミュニティがある」 そう思えるだけで、会社からの「代わりはいくらでもいる」という言葉が、逆に「じゃあ、いつでも辞めてやるよ」という強気な守りに変わります。
今すぐできる「心の退職準備」
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「自分にしかできない仕事」をあえて作らない: マニュアル化して、いつでも誰かに引き継げるようにしておく。
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会社以外の名刺を持つ: 副業でも、趣味のブログでも、資格の勉強でもいい。
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「不真面目な自分」を許す: 100点を目指さず、60点で「給料分の機能」は果たしていると割り切る。
結論:貴方の人生の主役は、会社ではなく貴方自身
26歳の彼は、今、会社という舞台から一時退場しています。
彼がいなくなった舞台では、別の役者が彼のセリフを喋り、物語は続いています。
でも、彼の人生という物語において、会社はただの「背景」に過ぎません。
今、苦しんでいる貴方に伝えたい。 会社にとって貴方は「交換可能な駒」かもしれませんが、貴方の家族にとって、そして貴方自身にとって、貴方は「交換不可能な唯一の存在」です。
代わりがいる仕事のために、代わりのきかない自分を壊さないでください。
次回の第3回(最終回)では、「いよいよ限界だ」と感じた時に、どうやって具体的・事務的に会社を去るか。 診断書や労働基準監督署をどう活用するかについて、実体験を元に詳しくお伝えします。
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